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エレベーター 点検のこんな運用

目の前の人にバカにされたとき、口論や暴力で復讐して本人を見返すのはその場はすっきりするかもしれない。
だが、そこでやり込めても、自分が伸びるわけではない。 いわむしろ、バカにした人を、自分を認めなかった世間の代表だと拡大解釈し、謂れなき罪をきせ、世の中を強大なる敵として闘うのだ。

個人を恨んでもつまらない。 世間という巨大な敵にいどむのだ。
私はずっとやり続けた。 この精神構造は、ヒーローの成り立ちととても近い。
「勘違いのパッション」を持っているものである。 Jも理由なく反抗していたわけだし、新造人間Cも、「Cがやらねば誰がやる」とロボットたちをなぎ倒していた。
ある意味、筋違いな怒りともいえるエネルギーを背負っている人は強いといえる。 たとえば、Aには、貧しかったブラジル時代に、育ての親のRから常にJを優遇され、自分は差別され続けたという冷遇時代があった。
この受難期のパッションが、IにSを立ち上げさせ、現在に至る計り知れないエネルギーを与えているように思える。 GやWなど、私は彼らの試合をライブで見た世代だ。
彼らはどんな状態になっても諦めない。 Wに至っては、何度倒れても立ち上がってきたのを覚えている。

昭和の中でも途轍もなく貧しかった幼少期を過ごした彼らのボクシングには、練り上げられたパッションが違うと思わせるたくましさがあった。 Tもそうかもしれない。
親子二人で、「オレと父ちゃんをバカにしたやつらに目にもの見せてやる」という気持ちが、あのド根性のベースにあると思うのだ。 Mさんもパッションを持った人だと思う。
長崎で原爆を経験したのを始め、子ども時代から受難の連続だ。 何かラッキーなことがあっても、そのあと全部を失うようなことも一度や二度ではない。
同性愛者であることの差別も含め、普通の人間が受けないような受難を引き受けている。 何も彼らはみな、自分をバカにした一人一人に対して復讐しようとは思っていない。
心はまさに「不愉快をあつめて早く最上川」状態で、不愉快さを別の方向に拡大転換して、自分のエネルギーに火をつける起爆剤にしている。 一仕事をなし遂げたあと、別に「日にもの見せてやったぞ。
気分がいい」というのとも違う。 ただ、一度成功すると安心してしまう人と、成功してもあの時代を忘れるものかと反復する人とでは違いが出てくる。
後者は、パッションが生まれ出た瞬間を、「あの悔しさは忘れない」という思いとともに、目にそのシーンを焼き付けている。

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